2024/11/5
世界遺産登録から25年。「あらためて」感じる奈良の豊かさ
3つの世界遺産が登録されており、その登録数は国内最多となる奈良県。
中でも、1998年12月に登録された奈良市の「古都奈良の文化財」は、2023年で登録から25周年を迎えました。
約1300年前の都・平城京の中心であった「平城宮跡」を中心に、東には「東大寺」「興福寺」「春日大社」「春日山原始林」「元興寺」、そして西には「薬師寺」「唐招提寺」があり、これら8つの資産が1つの文化遺産「古都奈良の文化財」として登録されています。
世界遺産登録の背景や古都奈良の歴史を今「あらためて」振り返ると、連綿と続く奈良のまちの「豊かさ」を感じることができます。
当時の奈良の都は最先端の「国際都市」だった!?
古都奈良の歴史は、奈良に都が置かれた平城遷都の710年から始まります。平城京を中心に、律令国家としての仕組みが完成し、※天平文化が花開きました。この奈良に都があった784年までの74年間が「奈良時代」です。
平城京のモデルとなったのは、当時文化の進んでいた唐の長安という都でした。中国様式の影響を受けた平城京は、面積は、東西約4.3km、南北約4.8km、の長方形の東側に東西約1.6km、南北約2.1kmの外京を加えた総面積は約2500ヘクタールという大規模なものでした。
中心を南北に貫く朱雀大路の道幅が約74mという広大さからも、そのスケールがうかがえます。
その巨大都市の政治・儀式の中心であり、皇居でもあったのが「平城宮」です。
当時は、東アジア諸国との国際交流が盛んで、遣唐使として留学生や学問僧が活躍しました。
また、この時代には国を挙げて仏教が広がり、東大寺や興福寺などの大寺院が次々と建立され、仏教を中心とする文化が栄えたのです。
こうして国際交流から当時の芸術や技術が発展。
それらが綿々と人々の手で守り伝えられてきたことが実を結び、後に「古都奈良の文化財」として登録された今があります。
この秋冬に訪れたい「古都奈良」の巡り方・楽しみ方
秋冬のシーズンを迎える奈良は、この時季ならではの祭事や秘宝・秘仏の公開など、見どころが満載です。
シルクロードを経て奈良へと渡ってきた書物や楽器など、正倉院の宝物の一部を特別に見ることができる「正倉院展」や、歴史ある社寺の特別公開などを通じて、美しく繊細な造形と神道や仏教を中心とする文化を感じることができます。
そんな秋冬シーズンの古都奈良のまちを「あらためて」巡ってみませんか。
※天平文化(てんぴょうぶんか)。
聖武天皇(しょうむてんのう)の天平年間(729~749年)を中心に栄えた奈良時代の文化。律令国家の発展を反映した壮大・華麗な文化で、平城京を中心に栄えた。当時の中国(唐)文化の影響を強く受けた貴族中心の仏教文化で、インド・ペルシャ・アラビアなど大陸の文化も取り入れられ、国際性に富んでいた。また、建築や美術、文学など、遣唐使などを通じて、国際的な文化がもたらされた。
世界遺産の6社寺を巡ることができる期間限定の「世界遺産六社寺共通拝観券」もあります※終了しました※
※掲載している情報は2023年8月現在のものです。