2023/4/3
おいしいお茶をつくるポイントは「その土地の特性をつかむ」こと。ひとくちに大和茶といっても地域によって特徴があります。
お茶の産地別で色や味を飲み分けて競う「闘茶(とうちゃ)」の文化が残る、奈良県北東部一帯の大和高原。実際に産地を訪れ、その土地の味を知り、ソムリエのようにお茶を選んでみませんか?
※地域によっては、バスの本数が少ないため事前に奈良交通ウェブサイトなどで確認を。
※掲載している価格はすべて税込価格(イートイン、またはテイクアウト時)です。
田原(Tawara)
標高400メートルにある田原地区。茶樹が養分を蓄える冬の休眠期間が長く、国内で最も遅い5月以降(連休明け)に収穫期を迎えます。粘土質の土壌から根が養分をよく吸い上げるため、栄養たっぷりのお茶は濃く、何煎も味わえるのが特徴です。
田原で最も歴史のある茶農家がこだわる無農薬有機栽培
竹西農園
樹齢約190年の歴史を持つ在来種の茶樹「大和古樹」があり、江戸時代から続く茶農家「竹西農園」は、約20年前から、身体にやさしい無農薬有機栽培に取り組んでいます。
煎茶「大和薫り」は、直根で土の中の養分をしっかり吸い上げる種から育てた実生(みしょう)のお茶。挿し木で育てた一般的な茶樹と違い、個々の自然なバラつきから生じたブレンド感があり、奥ゆきがある味です。「うちのお茶のおいしさを知ってほしい」とカフェ「遊茶庵」も併設。
【遊茶庵(ゆうちゃあん)】
ほうじ茶ご飯などが楽しめるランチ(2,500円)は、日本茶インストラクター・竹西多香子さんによるお茶の淹れ方などのセミナー付き。6名以上なら、5種類の大和茶を飲み比べる「闘茶会」(1~2時間、1人2,000円)体験も。
📍奈良市中之庄町458
☎0742-81-0383
🕐11:00~17:00 ※平日は要予約
㊡月~金曜(基本は土・日曜・祝日営業。茶収穫期5、6月は休み)
🅿6台
アクセス:近鉄奈良駅から奈良交通バス124系統「北野」行で田 原大野下車、徒歩約15分。または名阪国道針ICから車で15分
🌎https://www.yamatocha.net/user_data/ucha
大和茶の産地に足を運んでみませんか?
生産者とお話ししたり、お茶にまつわる体験を楽しむプランをご用意!ぜひ、ご参加ください。
【2023年9月16日催行予定:田原の里巡りと竹西農園(遊茶庵)でお茶作り】
田原の歴史散歩とお茶作りをしませんか?
月ヶ瀬(Tsukigase)
山間で日照が少なく、朝晩の寒暖差が激しい月ヶ瀬地区。そのため、茶樹は豊かな土壌のミネラルをゆっくり吸い上げ育っていきます。茶樹が生育できるギリギリの厳しい寒さに堪え、エネルギーをためたお茶は濃厚でまろやか。
月ヶ瀬の豊かな土壌が育むお茶と、飲み比べて知る産地の魅力
たつみ農園
「誰かにお茶を淹れて、人にやさしくなれる時間を」と語る「たつみ茶園」の巽直弥さん。新茶(かぶせ茶)をベースに茶葉(新芽の伸び具合)を選別し、蒸し具合などを独自に仕上げ、熱いお湯で淹れると渋くなるはずが、渋みを感じずおいしく飲めるお茶を生み出しました。
「お茶を産地で選んでほしい。そのために実際に訪れて味わう体験をしてほしい」と2022年2月に「月ヶ瀬茶焙煎所」をオープン。豊かな時間を共有しながら、実体験で知ったお茶の味は格別です。
【月ヶ瀬茶焙煎所】
「月ヶ瀬茶焙煎所」の「世界にひとつだけのオリジナルレシピのほうじ茶づくり」(約2時間、3,000 円)は、一般的に知られていないミノムシ(新芽の柔らかい部分が結合し製品にならないもの。渋みが少なく旨味が強い)のブレンドや配合を自分好みに仕上げる。試飲や茶葉の購入も可能。
「産地ごとのお茶の良さをソムリエのように伝えたい」と全国の産地の飲み比べ体験(約2時間、1人3,000円)を展開。月ヶ瀬茶を実際に味わって楽しんでもらおうと、マルシェなど様々なイベントでの出店も行う。家族でお茶をつくる暮らしを発信しているSNSも要チェック。
📍奈良市月ヶ瀬長引297
☎050-5875-9309
🕐11:00~16:00 ※HPから要予約
㊡月~木曜(金・土・日曜営業。5~7月の新茶収穫期は販売のみ)
🅿あり
アクセス:近鉄奈良駅から奈良交通バス94系統「石打」行で月瀬橋下車、徒歩約35分。または名阪国道五月橋ICから車で8分
🌎https://www.tatsumi-teahouse.com/
※当記事は観光情報誌『ならり』vol.34からの抜粋です。掲載内容は2023年3月現在のものです。