2023/1/20
ならまち東エリア「高畑」は、鎌倉時代から春日大社の神官ら(社家)の住まいが集まっていた場所で、住居を囲んだ古い土塀が今も所々に残っています。
その後、大正から昭和初期の頃には芸術家たちの拠点となりました。
『暗夜行路』などを執筆し「小説の神様」と呼ばれていた作家の志賀直哉が、東京の次に長く暮らしたのが、この地でした。
高畑の社家住宅跡を手に入れた志賀が、自ら設計図を描いて建てたのが、現在の[志賀直哉旧居]です。
多くの趣向を凝らした家の中で一番広い部屋が、食堂とその横に続くサンルーム。
そこには志賀を慕って、小林秀雄や武者小路実篤などの著名な文化人が集い、文学や芸術を語り合う「高畑サロン」と呼ばれていました。
2階の客間からは春日の森や若草山が一望でき、若草山焼きの日には友人たちとご馳走を囲みながら、絶景を楽しんだと言います。
そんな高畑には今も、文化的な雰囲気が漂います。
旧居、写真美術館の他に新薬師寺、おしゃれなカフェやアートを感じるケーキ屋さんなども点在。
志賀直哉も散歩した、ささやきの小径(下の禰宜道)から春日大社へ足を運ぶのもおすすめです。
入江泰𠮷をはじめとする、写真作品の美術館です。太田順一写真展、入江泰𠮷没後30年特別展を開催中(~2022/11/6)。
入江泰𠮷記念奈良市写真美術館
📍奈良市高畑町600-1
☎0742-22-9811
🕐9:30~17:00(入館は~16:30)
料金:一般500円 学生割引などあり
㊡月(休日の場合は最も近い平日)・祝日の翌日(祝日が平日の場合)・展示替え期間・年末年始
🅿39台(1時間以内無料)
志賀直哉自身が設計した邸宅を完全復元。芸術家が集った食堂、『暗夜行路』を書き終えた書斎などが見学できます。
志賀直哉旧居
📍奈良市高畑町1237-2
☎0742-26-6490
🕐9:30~17:30(12~2月は~16:30)入館は閉館30分前まで
料金:一般350円 学生・団体割引あり
㊡年末年始(12/28~1/5)
🅿なし
季節のフルーツをふんだんに使ったケーキがずらりと並ぶ。見た目もかわいい「空気ケーキ」はプレーンと抹茶が定番で、奈良のブランドいちご・古都華などの季節限定フレーバーもお目見え。
空気ケーキ。
📍奈良市高畑町738-2
☎0742-27-2828
🕐9:00~18:30(喫茶は10:00~18:00、L.O.17:30)
㊡火・水(祝日の場合は営業)
🅿4台
牧草のみで飼育された、高タンパクで低カロリーの「グラスフェッドビーフ」を使用。天然酵母の香ばしいバンズとこだわりパティをじっくり味わって。写真はアボカドチーズバーガー1,540円(ポテト付き)。
THE BURGER STAND MAVERICK
📍奈良市福智院町31-2
☎0742-42-6407
🕐11:30~19:00
㊡火・第3水
🅿なし
※当記事は観光情報誌『ならり』vol.33からの抜粋です。掲載内容は2022年8月現在のものです。