新鮮・お得に奈良市「帯解」で朝摘みいちごをお土産に!農家の直売所&スイーツガイド
いちごの季節がやって来ると、なんだか心がはずみます。我が家ではいちごがテーブルに並べば、子どもたちとの争奪戦です。まちにはいちごスイーツや限定メニューが並び、直売所や道の駅には人だかりができる光景も。奈良の冬から春を彩る風物詩のひとつと言ってもいいかもしれません。「いちご直売所」の看板につられて立ち寄れば、朝摘みのツヤツヤしたいちごに出会えます。全国各地にいちごの産地がありますが、私はやっぱり声を大にして言いたい!「奈良には、おいしいいちごがある!」と。
INDEX
今回訪ねた帯解エリアは、奈良を代表するいちご産地のひとつ。いちご農家は減ったそうですが、代々受け継がれてきたいちごづくりは今も続いています。苗づくりから丁寧に向き合い、新鮮ないちごのおいしさを届ける農家さんたち。今回は、そんな直売所を紹介します。奈良の新鮮ないちごや、いちごスイーツを楽しみたい人は、ぜひ、参考にしてください。
*直売所の営業期間は12月〜5月。事前に各店舗へお問い合わせください。
萩原苺農園
朝摘みの“べっぴんいちご”がいっぱい!
萩原苺農園は、この看板が目印です。思わず写真を撮りたくなる存在感で、テンションがあがります。失礼して、ハグ、ハグ。
※看板は直売所の営業期間のみ設置されています
では、心を落ち着かせて直売所へ。テーブルには、朝摘みの艶やかな真っ赤ないちごがずらり。栽培しているのは、「古都華(ことか)」「章姫(あきひめ)」「奈乃華(なのか)」、そして奈良県の新品種「ならあかり」。古都華を食べ慣れた人たちは、ほかの品種と行ったり来たりしながら食べ比べを楽しむそうです。甘みや香り、酸味、それぞれに個性があり、その違いを味わえるのも奈良いちごの魅力です。
「古都華」は、「いつ食べてもおいしいいちご」を目指して2011年に誕生した奈良県品種。ちょうど、現在萩原苺農園を切り盛りする萩原健司さんが農園を継いだ頃でもあります。もともとは「いちご農家だけは継がない」と思っていた萩原さんですが、気づけば古都華とともに歩んできたというわけですね。
当時は「奈良にうまいもんなし」と言われていた時代。しかし、奈良の食の世界が少しずつ盛り上がりを見せ始め、料理人や生産者とのつながりも広がっていったといいます。萩原さんは奈良市の古都華農家で結成された「古都華カンパニー」の一員として、古都華のお酒やサイダーの原料となる、いちごピューレづくりにも携わり、奈良いちごのおいしさを発信し続けています。
農家が減少する中で「これからのいちご農家はどうあるべきか」を常に考え、新規就農者の育成にも力を注ぎながら、挑戦を重ねている萩原さん。そのエネルギーが、一粒一粒の艶やかな輝きになって表れているように感じました。
もっといちごを知りたい人は、見学予約を!
萩原苺農園では、希望者を対象に農園見学を受け入れています。萩原さんの案内で、早速ハウスの中へ!一棟あたり約90メートルもあるビニールハウスには、約8,000株の古都華。手作業で育てていると聞けば「一体どれほど大変なんだろう」と驚かされます。しかも、いちご農家さんの本当の勝負は収穫シーズンだけではありません。収穫が終わると、次に最も重要な“苗づくり”が始まります。特に古都華は病気に弱く、とても繊細な品種なのだそうです。丁寧に手をかけ、大切に育てているからこそ、あの甘くて粒ぞろいの“べっぴん”ないちごが生まれるのですね。
見学では、いちごづくりの土台となる苗づくりの話をはじめ、いちごの歴史や古都華の魅力もたっぷりと教えていただけます。苗を植えてから実がなるまで、およそ2,000時間。長い時間をかけて大切に育てられているからこそ、あの甘さが生まれます。
受粉を支えるミツバチは養蜂家さんが育て、ハウスへ届けられているそうです。甘いいちごの向こう側には、苗づくりがあり、ミツバチがいて、それを支える人たちがいます。いちごの裏側には、まだまだ知らない世界が広がっていました。
近隣小学校の授業も受け入れているそうで、萩原さんの地元への思いの深さも伝わってきます。「奈良市中心部からすぐ近くなのに、田園風景が広がっているのが帯解エリアの魅力。古墳などマニアックなスポットも多いですが、いちごをきっかけにこの地域をもっと知ってもらえたらうれしいです」と萩原さん。
取材したのは、いちごシーズンが終わりに近づく4月末頃。「この時季にしか味わえないところもいちごの魅力でしょ」と笑う姿が印象的でした。観光で奈良を訪れた人が「奈良に来たら、いちごを買って帰らないと!」と直売所へ立ち寄る人も増えてきたそうです。そんなお話から、奈良いちごがこの地に根付いた存在になっていることを感じます。
- |萩原苺農園(はぎはらいちごのうえん)|
- 住所
- 奈良市横井6-596
- 電話
- 0742-81-8715
- 時間
- 9:00〜12:00、14:00〜17:00
- ※直売所の営業は1月〜5月中旬頃まで
- 休み
- 不定休
- 駐車場
- 3台程度
- 備考
- 農園見学の問い合わせ 090-5650-4951
ストロベリーキャビン(武村農園)
2時間だけの直売所!長く愛される「章姫」も!
JR帯解駅から徒歩約5分。武村農園の直売所「ストロベリーキャビン」は、車庫の一角にあります。10年ほど前に無人販売からスタートし、約5年前から今のスタイルでいちごのみを販売しています。 中をのぞくと、ウッド調のおしゃれな空間に、「古都華」「章姫」「かおり野」の3種のいちごが並びます(時期により異なります)。中でも章姫は、優しい甘みが特徴の品種ですが、残念なことに近年は生産者も減っているそう。それでも、先代から大切に育て続けている品種で、「この味が好き」と長年通うファンも多いといいます。
気まぐれで試食としていちごの食べ比べを提供したり、お得なサービスがあったりするのも直売所ならではの魅力です。「日によって味も少しずつ違うけど、それもまた楽しみのひとつ。しかも2時間しか開いてないから油断できないの」と笑うお客さんの言葉からも人気ぶりが伝わってきます。新鮮ないちごは、ちょっとした手土産にも喜ばれているそうです。
「私はいちごづくりを始めて10年ほどですが、毎日難しさを感じながら頑張っています」と話す武村貴史さん。お客様に喜んでもらえるようにとパックに詰める一粒一粒を丁寧に選んでいるというお話からも、いちごへのまっすぐな愛情が伝わってきます。営業時間は朝10時からの2時間限定で、売り切れ次第終了。在庫確認は電話で問い合わせるのがおすすめです。
- |ストロベリーキャビン(武村農園〈たけむらのうえん〉)|
- 住所
- 奈良市山町55-1
- 電話
- 080-6103-1819
- 時間
- 10:00〜12:00
- ※直売所の営業は12月〜4月頃まで
- 休み
- 日曜
- 駐車場
- 2台 ※お店から西へ50メートルほど先の空き地
岩井農園
直売所はいちごづくりのモチベーションそのもの!
JR帯解駅から東へ。古の時代より「大和青垣」と呼ばれる美しい山並みを眺めながら歩いていると、「今日はどんないちごに出会えるんだろう」と期待が高まります。12棟のハウスが見えてきたら、その向かいに岩井農園の直売所があります。
ここで出会えるのもとびきり美味しい「古都華」。今は亡き先代の義父・岩井寛さんは農林水産大臣賞を受賞したこともある凄腕のいちご農家でした。「岩井農園のいちごのおいしさを直接お客様に届けたい」という思いから、少しずつ直売をスタート。15年ほど前からは、こちらの直売所で販売しています。シーズン中は毎夕、八百屋さんが仕入れにやってきます。県内外の和菓子店やケーキ店にも卸しているそう。
さらに、「第4回全国いちご選手権(日本野菜ソムリエ協会主催)」では岩井農園の古都華が金賞を受賞するなど、今も多くの人を魅了しています。
「極秘のつくり方でもあればいいんですけどね(笑)。でも、“ここのいちごがおいしい”って来てくださる方が多くてありがたいです」そう笑顔で話してくれたのは、岩井家に嫁いで20年になる実保さん。直売所にいろんな人が買いにきてくれることが、いちごづくりのモチベーションそのものになっているそうです。
その一方で、将来を見据えて法人化も進め、農園を次の世代へつなぐ仕組みづくりにも挑戦中。時代に合わせて進化を続けながら、長年積み重ねてきた経験を、当たり前のこととして丁寧に守り続けていることが、岩井農園のいちごのおいしさにつながっているのかもしれません。
- |岩井農園(いわいのうえん)|
- 住所
- 奈良市山町236-1
- 電話
- 090-3719-8384
- 時間
- 月・水・金・日 14:00〜17:00
- 火・木・土 9:00〜17:00
- ※直売所の営業は12月初旬~5月末頃まで
- 休み
- 不定休
- 駐車場
- 5台
※収穫状況などによる
※ご予約やお問い合わせはお電話がスムーズです
ストロベリー工房
中井農園直営、いちごが食べたくなったらここ!いちご三昧、あっぱれ!
国道169号沿いに、いちごののぼりと真っ赤なコンテナが見えてきたら、そこは、天理市の中井農園直営の「ストロベリー工房」。
オーナーこだわりの土耕栽培。土づくりから収穫まで、時間と手間をかけて大切に育てられた「古都華」と「あすかルビー」を使ったスイーツが楽しめる、まさに“いちごの楽園”です。
開店前から行列ができることも珍しくなく、中には「古都華」の読み方を知らないまま口コミや話題を聞いて県外から訪れるお客様もいるそう。
いちごシーズン(11月中旬~5月頃)は新鮮ないちごを味わえるクレープが登場します。数量限定の人気メニュー「古都華スペシャル」は、改良を重ねたクレープ生地に、奈良県産小麦「古都麦(みやこむぎ)」を使用。もっちりとなめらかな生地の中には、通常の3倍ものいちごとたっぷりの生クリームが包まれています。北海道産2種類をブレンドした生クリームは、軽やかな口当たり。さらにアイスクリームまで入った、まさに“ご褒美スイーツ”です。どこから食べようか迷いながら頬張ると、古都華の甘みと華やかな香りが口いっぱいに広がります。
夏はかき氷が楽しめます。「贅沢いちご氷」は削った氷に、いちごソースとミルクシロップを重ね、最後に凍らせたいちごをたっぷりとトッピング。何層にもいちごのおいしさを重ねた、夏だけの特別な一杯です。
これだけ大胆にいちごを使えるのは、いちご農家直営だからこそ。気づけば「私、いったい何個分のいちごを食べたんだろう?」と笑ってしまうほど。お腹も心も大満足です。季節ごとに異なるいちごのおいしさを、ぜひ味わってみてください。
- |ストロベリー工房|
- 住所
- 奈良市柴屋町66-3
- 電話
- 070-5261-0663
- 時間
- 11:00〜17:00(LO16:50)
- 休み
- 火曜(10月は休業)
- 駐車場
- 6台
- 備考
- かき氷:5月中旬〜9月末頃まで
クレープ:11月中旬〜5月頃まで
(夏期と冬期でメニューが変わります)
全国的にも有数のいちごの生産量を誇っていた昭和の時代。私が子どもの頃、冬の夜の奈良盆地にはビニールハウスの灯りが広がる風景がありました。今は古都華の誕生をきっかけに、奈良のいちごが再び注目を集めています。「奈良といえば、いちご」。そんなイメージも改めて定着しつつあります。
春の訪れを告げ、人を笑顔にする赤い実り。帯解エリアを歩いていると、その背景には、生産者のみなさんの長年の努力と挑戦、そして地域への思いがあることに気づかされます。いつか奈良に“いちご博物館”ができたら。そんな夢を思わず描きたくなる取材でした。
案内してくれた人
徳永 祐巳子(とくなが・ゆみこ)編集者/amu
(撮影:都甲ユウタ テキスト:徳永祐巳子)
※掲載の情報は2026年8月時点のものです。詳細は各施設・店舗にお問い合わせください
※掲載価格はすべて税込みです
※写真はすべてイメージです
この記事で紹介した直売所やお店の地図
- 萩原苺農園(はぎはらいちごのうえん)
- ストロベリーキャビン(武村農園)
- 岩井農園
- ストロベリー工房
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