奈良の1年を締めくくる伝統行事「春日若宮おん祭」を観に行こう!
おん祭は7月からさまざまな祭礼が始まり、12月15日から18日にかけて中心神事が執り行われます。
12月15日は、JR奈良駅から大宿所詣の行列が三条通りを練り歩き、地元各商店街や祭りに参加する大和士(やまとざむらい)、一般参拝者のための「御湯立(みゆたて)」、さらに午後5時からはおん祭の無事執行を祈願する「大宿所祭」が行われます。
12月16日は、17日0時に行われる「遷幸(せんこう)の儀」に先立ち、春日大社や春日若宮では大和士による宵宮詣や田楽座による宵宮詣が、午後4時からは祭典の無事を祈る宵宮祭が執り行われます。
12月17日はおん祭で最も多くの祭事が行われる日で、見どころも満載です!
午前0時からは本殿のご祭神、若宮神を御旅所の御仮殿へと深夜にお遷しする「遷幸の儀」が始まります。参道は全ての灯りを滅し、参列者も写真はおろか足元を照らすことすら許されません。
全員が「ヲーヲー」と警蹕(けいひつ※声をかけて周りをいましめ、先払いをすること)の声を発し、楽人たちが邪気を払う慶雲楽(きょううんらく)を奏でてお供する、厳粛な行事です。

春日若宮おん祭の様子を近くで見られる!お渡り式とは?
続く暁祭、本殿祭の後、正午からはおん祭で最も華やかな行事の一つである「お渡り式(おわたりしき)」が行われます。
奈良県庁前から若宮神のおわす御旅所に向かって、意匠を凝らした芸能集団や祭礼に関わる人々の行列が市中を練り歩きます。
行列は馬50頭、奉仕者1,000名にもおよび、平安時代から江戸時代にかけてのさまざまな時代の風俗が一堂に会する様子は圧巻です。
奈良県庁前を出発したお渡りの一行は、春日大社一之鳥居を入ってすぐの「影向(ようごう)の松」の前で芸能を披露する「松の下式」を行い、御旅所に練り込みます。
午後2時半からは国の平安を祈願する「御旅所祭」が厳粛に行われ、午後3時半からは神楽・東遊・田楽・細男・猿楽(能楽)・舞楽など、午後11時ごろまで様々な芸能が奉納されます。
厳寒の中奉納される芸能の数々は神秘的で、大変貴重なものばかりです。
翌18日には「奉納相撲」と「後宴能」が行われ、お祭りはフィナーレを迎えます。
17日の「お渡り式」および奉納される神事芸能は、国の重要無形民俗文化財に指定されています。
奈良の1年を締めくくる伝統行事「春日若宮おん祭」にぜひお越しください。
第889回 春日若宮おん祭 特別桟敷席のご案内
「春日若宮おん祭」奈良を代表するお祭りとして知られ、「お渡り式」をはじめとする多くの神事が執り行われます。毎年多くの人々が集まるこのお祭りをより多くの皆様にご観賞いただくため、 特別桟敷席を設置します。
日程/令和6年12月17日(火)
桟敷席/
●登大路園地桟敷席
予約期間/2024年10月17日(木)13:00~12月13日(金)17:30
問い合わせ先/0742-30-0230(奈良市観光協会 平日9:00~17:30)
特別桟敷席の概要
登大路園地桟敷席 | 松の下桟敷席(南席) | 松の下桟敷席(北席) | お旅所前桟敷席 | |
日時 | 12月17日(●) 11:30~12:30 | 12月17日(●) 13:00~14:30 | 12月17日(●) 13:00~14:30 | 12月17日(●) 13:00~22:30 |
場所 | 登大路園地 (奈良県庁前) | 春日大社 一之鳥居横 | 春日大社 一之鳥居横 | 春日大社 お旅所前 |
席数 | 220席 | 50席 | 120席 | 160席 |
料金 | 2,000円 | 4,500円 | 4,500円 | 10,000円 |
予約受付・開場時間 | 10:00~ | 12:00~ | 12:00~ | 10:30~ |
当日受付・開場時間 | 10:30~ | 12:30~ | 12:30~ | 12:30~ |
行列通過 時間 | 11:50頃~12:30頃 | 13:00頃~14:30頃 | 13:00頃~14:30頃 | 13:00頃~(お旅所祭は14:30頃~) |
その他 | 「お渡り式」の各行列が出発に際して、春日大社神職の観閲を受ける 「試しの儀」 を拝観。カイロ付。 | 「影向の松」の前で、田楽や猿楽など様々な伝統芸能が奉納される「松の下式」を拝観。 おん祭解説書、カイロ付。 | 「影向の松」の前で、田楽や猿楽など様々な伝統芸能が奉納される「松の下式」を拝観。 おん祭解説書、カイロ付。 | お旅所の芝舞台で様々な神事・芸能が奉納される「お旅所祭」を拝観。 おん祭解説書、カイロ、オリジナルブランケット、音声ガイド無料貸出付。 |
※大人、子ども一律料金です。
※各桟敷席の代金のお支払いは、当日受付時にお支払い下さい。
※各桟敷席は全席当日先着順でのご案内となります。
・登大路園地桟敷席/全席自由席
・松の下式桟敷席/当日先着順指定
・お旅所前桟敷席/当日先着順指定
※「お旅所前桟敷席」は、ご入場~22:30の間、出入り自由です。
※各桟敷席では、招待席・旅行会社団体席などを事前に設けさせていただく場合があります。
※天候次第で「お渡り式」が中止の際には、「登大路園地桟敷席」・「松の下式(南席・北席)桟敷席」は中止となります。
「お旅所前桟敷席」は、小雨であれば開設いたします(※荒天中止)。
中止の場合は奈良市観光協会公式ウェブサイト(https://narashikanko.or.jp/)または奈良市観光協会公式Facebook
(https://www.facebook.com/narashikanko/)にて当日午前9時頃に告知します。
※当日受付は、お席に残席があればご案内(販売)いたします。
※「松の下」、「お旅所前」の桟敷席はいずれも階段や段差があるため、車いすをご利用の方は「登大路園地桟敷席」をおすすめいたします。
春日若宮おん祭について
日程: 2024年12月15日(日)~18日(水)
「お渡り式」12月17日(火)12:00~14:30頃
「松の下式」12月17日(火)13:00頃
「お旅所祭」12月17日(火)14:30~22:30頃
主催:一般財団法人 春日若宮おん祭保存会
問い合わせ:0742-22-7788
URL:kasugataisha.or.jp/onmatsuri/
【お渡り式】
ご祭神である若宮様が遷られたお旅所へ社参する芸能集団や祭礼に加わる人々の行列。
明治以降に加わった先行の行列と古式を伝える伝統行列が列を成し、奈良県庁前~近鉄奈良駅前~JR奈良駅前~三条通り~お旅所のルートで練り歩きます。巫女や稚児が馬に乗ってお渡りをする様子や華やかな時代衣装を身にまとった奉仕者からその時代の風俗を楽しむことができます。
【松の下式】
春日大社の一之鳥居をくぐった先にある「影向(ようごう)の松」の前で猿楽・田楽など様々な芸能が奉納される儀式。
陪従(べいじゅう)・細男(せいのお)・猿楽・田楽は、各々芸能の一節や決められた舞を演じてはじめて、お旅所への参入が許されます。春日大明神が翁の姿で萬歳楽を舞われたとも言われる由緒あるこの場所で、奉納される芸能をお楽しみいただけます。
【お旅所祭】
若宮様にお供えや祝詞奏上、様々な芸能を奉納する神事。まず初めに、お米を青黄赤白に染め分けて飾られた「染御供(そめごく)」が若宮様に捧げられ、宮司や日使により祝詞が奏上されます。
その後、「芝居」の語源になったともいわれるお旅所の芝舞台で巫女による神楽をはじめ、お渡りをした人々による東遊(あずまあそび)や田楽、細男、神楽式(かぐらしき)、シルクロードを通じて伝えられた12曲の舞楽が、午後10時半頃まで次々と若宮様へ奉納されます。日の暮れたほの暗い中で、古くから日本に伝わる様々な芸能が奉納される様子は神秘的かつ圧巻です。