奈良を味わう 大和伝統野菜
〈メイン写真〉
(手前左から)味間いも、大和いも、片平あかね、歌姫だいこん、今市かぶなど、
瑞々しく味が濃い大和伝統野菜が勢揃い。農家レストラン「清澄の里 粟(きよすみのさと あわ)」にて
INDEX
- 奈良の風土が育む伝統野菜
- 《教えて!大和伝統野菜のこと》三浦さんに聞きました
- 個性あふれる「大和伝統野菜」図鑑
- 大和丸なす(やまとまるなす)
- 黄金まくわ(おうごんまくわ)
- 軟白ずいき(なんぱくずいき)
- ひもとうがらし
- 大和三尺きゅうり(やまとさんじゃくきゅうり)
- 大和いも(やまといも)
- 宇陀金ごぼう(うだきんごぼう)
- 大和きくな(やまときくな)
- 結崎ネブカ(ゆうざきねぶか)
- 祝だいこん(いわいだいこん)
- 大和まな(やまとまな)
- 大和伝統野菜のカンタンレシピ
- レシピ① 大和丸なすの豚バラ巻き
- レシピ② 大和まなとじゃこのペペロンチーノ
- 特集 大和伝統野菜 その他の記事
- 観光情報誌「ならり」バックナンバー・デジタル版
奈良の風土が育む伝統野菜
日本各地に見られる、その土地の風土や人々の営みの中で育まれてきた伝統野菜。盆地特有の寒暖差と山々に囲まれた自然をもつ奈良にも、古くから栽培されてきた「大和伝統野菜」が存在します。もとは外来種だった野菜の種が地域の農家により大切につながれ、長い年月をかけて奈良ならではの野菜(=在来品種)として受け継がれてきたのです。同じ種類の野菜でも、産地が変われば、名前や形、その風味も少しずつ異なります。大和伝統野菜は、そうした違いがよく分かる野菜です。
かつては自家消費を中心に親しまれてきた大和伝統野菜も、近年では飲食店や直売所で味わえる機会が増えてきました。食材を通して地域の歴史や文化に触れる旅「ガストロノミーツーリズム」が注目される中、大和伝統野菜もまた、奈良の食文化をひもとく存在として位置づけられています。そんな大和伝統野菜の魅力について、その普及に25年以上携わってきた三浦さんに話を伺いました。
《教えて!大和伝統野菜のこと》三浦さんに聞きました
Q 魅力について教えてください
A 大和伝統野菜を作り続ける理由を農家の方に尋ねると、多くの方が「おいしいから」「家族が喜んでくれるから」と答えます。つまり大和伝統野菜は、売るためだけではなく、食べる人の好みや暮らしを大切にして育てられてきた野菜だということです。家族や身内が口にする場面を思い浮かべながら、愛情や思いやりとともに育てられてきた。そのような背景から、私たちは大和伝統野菜を「家族野菜」と呼んでいます。それこそが、大和伝統野菜の大きな魅力です。
A 地域に適応してきた大和伝統野菜は、風味や形、色合いがとても個性的です。緑や紫、白など多様な色彩をもち、ビタミンやミネラルといった栄養素も多く含んでいます。細長い姿や、輪切りにしたときの丸い断面が「家庭円満」を連想させることから、正月の雑煮に使われてきた祝(いわい)だいこんなど、形そのものが食文化に生かされてきた野菜もあります。このように、見た目や成り立ちに目を向けながら味わう、という楽しみ方ができます。
ご存じですか? 奈良県が認定する“ブランド野菜”
個性あふれる「大和伝統野菜」図鑑
奈良の風土と歴史に根ざした伝統野菜。その形や色、味わいはさまざまです。奈良の食卓に四季折々の彩りを添える大和伝統野菜の顔ぶれを眺めてみましょう。
イラスト:西原 楓
奈良市内では、大和まなや大和きくな、大和丸なすなどを生産。宇陀市では宇陀金ごぼう、川西町では結崎ネブカ、御所市や天理市では大和いもが栽培されています。
大和丸なす(やまとまるなす)
肉質が締まっていて煮崩れしにくいため、煮物や天ぷらといった調理法がおすすめです。「がく」がピンとしていて、張りと光沢のあるものが新鮮な目印。2025年10月に行われた日米首脳会談後の昼食会で「大和丸なす」を使った料理がふるまわれたことも話題となりました。
[旬]春・夏
[産地]奈良市、大和郡山市 ほか
黄金まくわ(おうごんまくわ)
奈良時代から庶民の間でも食べられていたことが知られる「まくわうり」の一種。美しい黄金色の果皮が特徴。シャキッとした口当たりとほのかな甘み、素朴でさわやかな風味が人気で、メロンのように切って生で食べるのが一般的。お盆のお供え物として使われます。
[旬]夏
[産地]県内全域
軟白ずいき(なんぱくずいき)
[旬]夏
[産地]奈良市
ひもとうがらし
[旬]夏
[産地]県内全域
大和三尺きゅうり(やまとさんじゃくきゅうり)
[旬]夏
[産地]県内全域
生産地の名前がついた伝統野菜をチェック!
味間いも(田原本町味間地区)
歌姫だいこん(奈良市歌姫町)

大和いも(やまといも)
[旬]秋・冬
[産地]御所市、天理市 ほか
宇陀金ごぼう(うだきんごぼう)
[旬]秋・冬
[産地]宇陀市
大和きくな(やまときくな)
[旬]秋・冬
[産地]県内全域
結崎ネブカ(ゆうざきねぶか)
観世流能の発祥地・川西町結崎地区では、室町時代に翁の能面と一緒に天から降ってきたねぎを植え、それが結崎ネブカになったという伝説が残ります。葉が柔らかく折れやすいため、流通が少なく「幻のねぎ」と呼ばれることも。煮炊きすると粘りのあるトロッとした甘みが広がります。
[旬]冬
[産地]川西町(旧・結崎村)
祝だいこん(いわいだいこん)
[旬]冬
[産地]奈良市、葛城市、宇陀市 ほか
大和まな(やまとまな)
アブラナ科のツケナ(漬け菜)の一種で、奈良を代表する伝統野菜のひとつ。油と相性が良く、炒め物や漬物、おひたし、煮物など、多彩な調理方法で楽しめます。周年栽培されるようになり、時季ごとに辛味や苦味、旨味、甘味などの違いが楽しめるのも、大きな特徴です。
[旬]冬
[産地]県内全域
※掲載している野菜は、大和伝統野菜の一部を抜粋したものです。イラストは一例です。
※旬の表記は目安です。産地や品種により異なります。
※当記事は観光情報雑誌『ならり』vol.40からの抜粋です。掲載内容は、2026年2月現在のものです。
大和伝統野菜のカンタンレシピ
生まれも育ちも奈良市。料理好きな奈良市観光協会職員の新子(あたらし)さんが、手軽でおいしいレシピを紹介します。
レシピ① 大和丸なすの豚バラ巻き
●大和丸なす 1個
●豚バラ肉(薄切り) 16枚
★酒 大さじ2
★醤油 大さじ2
★砂糖 大さじ1
★みりん 大さじ1
作り方
①なすはヘタを取り、縦8等分に切る。片栗粉(大さじ1)を全体にまぶす。
②豚バラ肉を2枚広げて並べ、塩、こしょうで下味をして、なすにしっかりと巻きつける。
③フライパンに並べて全面に焼き色がついたら、蓋をして弱火で7分蒸し焼きにする。
④蓋をとり、余分な油をキッチンペーパーでふきとる。
⑤★を合わせて入れ、照りが出るまで調味料を煮絡める。お好みで細ねぎと白ごまをちらす。
レシピ② 大和まなとじゃこのペペロンチーノ
●大和まな 1袋(200〜250g)
●ちりめんじゃこ 大さじ3
●スパゲッティ(1.4mm推奨) 200g
●にんにく(スライス) 2かけ
●輪切り唐辛子 2本分
●オリーブオイル 大さじ2
●水 500ml
作り方
①大和まなは3㎝幅に切る。
②フライパンにオリーブオイル、にんにく、唐辛子を入れ弱火で香りが立つまで炒める。
③水・スパゲッティ・残りの食材を入れ、時々混ぜながら中火で水分がなくなるまで火にかける。
※目安はパッケージの表示時間+2〜3分
④塩で味をととのえる。
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