近代建築で昼食を
歴史を感じるレトロモダンな建物でカフェ&ランチタイムを。奈良の美食とともに、美しい装飾や建築家のこだわりにも思いを馳せてみましょう。
INDEX
奈良ホテル
- 吹き抜けのフロントエリアにある人気撮影スポットの大階段には赤膚焼(あかはだやき)の擬宝珠(ぎぼし)が取り付けられている

- アインシュタインが弾いたピアノなども展示されている本館ロビーの桜の間(17:00~20:00は宿泊者のみ利用可)

- 周囲となじむよう和風の外観となり、屋根には宮殿や仏殿に見られる鴟尾(しび)を配置

- 明治・大正時代にタイムスリップしたかのような美しい空間

- 歴代の料理長から受け継がれてきた伝統の仏料理に、モダンな発想を取り入れたメニューで構成する「三笠」のランチコース ※イメージ

メインダイニングルーム「三笠」
📍奈良市高畑町1096
📞0742-24-3044

菊水楼(きくすいろう)
受け継がれる老舗料亭の美意識はおもてなしにも
1891(明治24)年、興福寺興善院跡に創業。130余年の歴史を紡ぐ、奈良屈指の名店として多くの著名人も訪れています。
本館玄関の天井や旧本館の階段の手すりなどには菊水模様の意匠が施されるほか、奈良・円成寺の部材を譲り受けた床柱などを至るところに取り入れています。
歴史ある料亭として、奈良の行事に合わせた伝統的な会席料理が楽しめます。
- 正面に建つのは1901(明治34)年建築の木造3階建て本館

- 水に浮かぶ菊の文様など現在では再現が難しい意匠を随所に見ることができる

- 来館するだけで利用できる「明日棚(あしたな)」は、菊水楼を訪れた記念に思い出や気持ちを綴り、手紙を投函する場所。菊水楼別館奥にデスクが設置されているので、未来の自分に手紙を書いてみよう

- 丸い窓に丸い照明、折上格(おりあげごう)天井が特徴的な部屋『丸窓』

- 大和牛や奈良産の野菜など、厳選された食材のおいしさを引き出す料亭の料理は格別。写真は昼会席。食事は床の間がある様々な個室でいただける

料亭菊水楼
📍奈良市高畑町1130
📞0742-23-2001

紫翠(しすい) ラグジュアリーコレクションホテル 奈良
(旧奈良県知事公舎/吉城園〈よしきえん〉)
奈良の食文化からヒントを得た独創的な料理
1922(大正11)年に建造された奈良県知事公舎を、2023年8月、趣を残しながらホテルメイン棟にリノベーション。
知事公舎の客間を修復したレストラン「翠葉(すいよう)」では、古都奈良の食文化や伝統を感じることができる“ガストロノミージャーニー”をテーマに、奈良の食材や調理法を取り入れた新感覚の独創的なメニューを味わうことができます。
レストラン「翠葉(すいよう)」
📍奈良市登大路町62
📞0742-93-6532

- 旧奈良県知事公舎の趣はそのままに現代によみがえらせた建物

- 吹き寄せちらしや季節の土瓶蒸し、華やかな八寸などが楽しめるランチコース「紫苑(しおん)」

- 1951年11月に昭和天皇がサンフランシスコ講和条約と日米安全保障条約の批准書に署名した旧県知事公舎の「御認証の間」

- 広く立派な床の間や往時の欄間(らんま)を残したレストラン「翠葉」

江戸川(えどがわ) ならまち店
元呉服商の邸宅で味わう関東風の鰻
築140年以上の町家を改築した関東風の鰻(うなぎ)専門店。
元の建物は明治初期に呉服商の関家により建築され、のちに繊維問屋の宮島家の邸宅となりました。
道路拡幅により庭や茶室は取り壊されましたが、主屋と大正時代の洋館応接間、見世蔵などが残っています。
主屋は太く大規模な梁や箱階段、柱のないガラス戸など見どころがたくさん。
江戸川(えどがわ) ならまち店
📍奈良市下御門町43
📞0742-20-4400

- 丸窓から庭を眺められるテーブル席の部屋

- まずはそのまま、次は薬味を合わせ、最後にお茶づけと味の変化を楽しめる江戸川名物 おひつまぶし。 創業70年を超える江戸川では継ぎ足しのタレで、江戸風の背開きにした国産鰻を焼き上げる

- レトロかわいい洋館の応接間

- 繊維業を示す典型的な糸屋格子が残る外観


工場跡(旧長壽會〈ちょうじゅかい〉細菌研究所工場)
ノスタルジックな工場跡でホッと一息 日本聖公会奈良基督(きりすと)教会 会堂を手がけた大木吉太郎が1925(大正14)年頃に設計した木造建築で、主に乳酸菌飲料を研究開発する工場として使われていました。 下見板張(したみいたばり)の外観が特徴的で、多くの機器類が残る点も近代食品工場の姿として貴重。 カフェでは奈良特産の大和茶などが楽しめ、朝食も人気。 CAFE 工場跡(こうじょうあと)事務室(旧事務室+荷造室) 📍奈良市芝辻町543 📞0742-22-2215 |
ハテノミドリ(京終〈きょうばて〉駅舎)
電車を眺めながらくつろげる空間 1898(明治31)年に開業したJR万葉まほろば線の京終駅。木造平屋建ての駅舎を開業当時に近い姿に復元した際、観光案内所とカフェ「ハテノミドリ」をオープン。 店内からは、ホームを間近に見ることができます。週替わりスープがメインのランチやスイーツなどは、どれも手作りで優しい味わい。
📍奈良市南京終町211 京終駅舎内 📞070-1849-1033 |

※当記事は観光情報誌『ならり』vol.37からの抜粋です。掲載内容は2024年8月現在のものです。





























